[自分のことは満足にできなくてもいい]
子どもはもちろん一人では生きていくことはできません。でも、自分のことも満足にできないのに、人のお世話をしようとする姿を見たりすると、実にかわいいなと思ったりします。かわいいと思うとともに、ここに「生き方」の極意を感じたりするのです。
医者でも散髪屋や美容師でも、人が自分の目や手では届かない所をお世話するのが仕事です。営業マンでも、運送屋でも、皿洗いでも、役に立つ仕事というのは ぱぱさんが行うには、すべて、とても困難なことです。こういう事を考えてゆくと、実は「自分のことも満足にできないのに」というのは当たり前のことだと気づきます。「自分のことも満足にできないの」ですから、お互い自分以外の人間の存在を大切にしようと思うことができるのではないでしょうか。人間は皆、自分のことは満足にできなくても、他者のためにできることはあり、それで世の中成り立っているということを、希望をもって確認したいと思います。
