[大切なキャッチボール]

私たちが心を込めて保育を行うと、子どもは自信たっぷりに輝きます。保護者の方はそんな我が子の変化に気付いて嬉しく思い、保育園への理解と協力の気持ちをもつようになると思います。すると私たちはますますやる気が出てきてお子さんのことがますますかわいらしくなります。そうすると子どもはもっともっと輝きが増していくのです。そんなキャッチボールができることを、「良い保育」というのではないかと思います。

保護者と保育園のキャッチボールを続けていく「過程」が保育だと思っています。これで保育は完成といったような、ゴールなんてありません。

保育園が投げるボールが暴投になり、保護者がキャッチできないときだってあるかもしれません。保護者が投げるせっかくのボールを、保育園の立ち位置が悪いため上手にキャッチできない時があるときだってあるかもしれません。

具体的にお話していきます。お家でお父さまの帰宅が多少遅くなった結果子どもの就寝も遅くなって、翌日保育室ではクタクタになっても、良しとしたいと思うのです。また、土日休日を「親(ご親族)が楽しくお過ごし」なのなら、翌月曜日の朝、子どもがクタクタになって保育室に入室してきても、良しとしたいと思うのです。

土日休日の経験が、例え大人の趣味等に子どもをつきあわせるようなことであったとしても、大人が心から楽しんでいるのならば、それを見ている子どもは絶対に楽しいではないかと感じるのです。

もちろん、翌日保育園では子どもはクタクタですが、翌日以降は生き生きなのですね。オフの日とオンの日のメリハリがあった方が、結果的に子どもの「自発性と思いやり」は増えるようです。勿論このことは、全ての保育園にあてはまることではないかもしれませんし、当保育室でも永遠にこれがいいのかといえばそうともいえないかもしれませんが、でも・・・

「保護者は子どもの心身の健全な発達が保障されるよう生活リズムを整え、特に早寝早起き、朝食の摂取、毎朝の排便など、日常の基本的生活習慣が確立するよう努力しなくてはならない。」というのが、世間一般の保育園の、保護者に対する基本契約だと思います。正しいことではあります。でも、それにこだわりすぎていると、大切なキャッチボールができなくなるのではないかと思うのです。

子どもにとって一番大切なのはお母さま。他に愛着の対象はありません。保育園は、保護者の皆さまが平日の夕方から翌日の朝まで、さらに土日休日の、子育てを楽しんでいただくための援助を行う施設といってもよいのではないかと思うこのごろです。
きれいなお花

トップ気まぐれコラム > 大切なキャッチボール