[一人遊びの大切さ]
子どもが遊んでいる姿は素敵です。時のたつのを忘れてままごとやボール遊び、電車遊びに夢中な目つき、キラキラ輝いて見えます。さて、「どうせ遊ぶならみんなと一緒に遊んだほうがいい」と思う方は多いのではないかと思いますが、実は一人遊びが大切というお話をしたいと思います。
一人遊び、自分の中だけで完結する遊び、周りの人に惑わされないで楽しめる遊び、私だけの楽しみ・・・大人になって企業戦士になってつまずいて人と交わることが億劫になるなんてこと、誰にだって1回や10回や100回や1000回位はあると思うのです。この人と交わることが億劫に感じたときに一人遊びができる大人は、その遊びに没頭することにより、上手にストレスの解消ができるのですね。これがもしも億劫に感じたときに一人遊びができない大人は、ストレスの解消ができないで、最終的に自分で自分の生涯を閉じる選択をせざる負えなくなったりするのです。こわっ。
一人遊びは、大人になってから楽しめばいいと思っても実は難しいのです。子どもの時からの積み重ねにより楽しめるのですね。でもそれが難しい。なぜかというと、(1)わが子に対して「お友だち同士で遊べるように」といった願いをもつ親が多い。(2)早期教育の障害。(3)兄弟姉妹の影響。といった点をあげることができます。
(1) は将来人間関係の中で社会生活を送るわが子に、上手に世の中を渡ってほしいという親心が裏目に出るといったパターンです。上手に世の中を渡るためには逃げる場所としての一人遊びこそかえって必須なのです。
(2) は、例えば絵本。文字を知らない子どもは絵本の世界を想像力豊かに楽しむことができます。字では表すことが困難な冒険活劇を自演のつぶやきでやってのけます。しかし、文字を覚えてしまったその時から、文字ばかりに気をとられるようになり、間違わないで読まなければならないといった一種の観念にとらわれ、結果、絵本が楽しいものではなくなってしまう恐れがあるのです。絵本を広げて言葉にならないことばでブツブツ言いながら楽しんでいる時期を充分に保障してやりたいものです。
(3) は特に年が近い兄弟姉妹に見られることが多いです。一日中年上の兄妹に操られて過ごすうち、いつのまにか逆に誰かに操られないと、遊べなくなってしまうのです。時々はお家の人がしっかり見はって、時々主従関係にメスを入れる必要が出てきます。
ぱぱさんは独り静かに、毎晩、バッハの無伴奏チェロ組曲をフルートで演奏して、グラスの中の琥珀色の液体をちびちび楽しみたいと思っているのですが、夜間の楽器演奏はマンション住まいの身としては肩身が狭くて・・・一人遊びは難しいですね。でも大切!!