[子どもの情景]
(1) ○○ちゃんは××ちゃんに、ジャングルジムの上から故意に落とされました。スタッフに指導を受けて、○○ちゃん以上に大泣きを始める××ちゃん。すると、それを見ていた被害者の○○ちゃんは、××ちゃんの手を取って手洗い場に連れていき、一緒に手洗いし、その後一緒に給食を食べました。
「幸せとは、受けたことは忘れて与えることに徹すること」なのかもしれません。
(2) 絵本を踏みつける△△ちゃんに対して、
「踏むと壊れちゃうよ」
「本が泣いてる」
「可愛そうだから踏まないでね」
「大事に使ってね」
そのことがまだ解らない△△ちゃんに、今日も訴え続けるスタッフ・・・
保育とは、「今は分らないが、後で分るようになることを伝え続ける力」なのではないかと思います。すぐには花の咲かない木に、肥やしをやっているようなものです。しかし、保育の場面では、すぐに効果がでるわけではないことに対しても、取り組んでいかなければなりません。最近の世の中では、すぐに結果が出るものを歓迎し、すぐに成果や効果の現れないことに対しては、冷たくあしらう風潮が蔓延していますが、それに立ち向かっていきたいと思います。
(3) 「ぼくだけをみて!ぼくだけをだいて!」
特定の保育士を独占しようとして、ものすごい形相で怒り泣きする、生後7か月の乳児の姿がありました。自分の思いを表すそのエネルギーに、たいそう感心しました。スタッフ間で話し合い、「抱かなくても抱いてる気持ち、遠くにいても近くにいる気持ち」で接することにしました。すると、何と半日で思いが通じたようで、その保育士を目で追うだけで、渋々ながらも納得するようになったのです。
渋々ながらも納得するということは、「人生の中では妥協が必要なときもある」ということでもあります。そのことを受け入れる赤ちゃん、何て賢いのでしょう。