[愛鳥自慢(?)]
2017年明けましておめでとうございます。
今年は酉年、干支にちなんで、ぱぱさんのペットの鳥さんのお話をします。
種名は和名でヨウム、英語ではアフリカングレイパロットと言い、アフリカ産大型のオウムの仲間です。名前は、アフリカングレイパロットの前3文字を素直に拾って、「アフリ」とつけました。
噂では、今購入すれば100万円のプライスが付くプレミアムな鳥なのだそうですが、パパさんは今から17年前に、桁違いの安い価格で手にいれました。今17歳といっても、ヨウムにしてはまだまだ若い年齢で、人間に換算すると丁度成人式を迎えたくらいなのだそうです。寿命は人間と同じくらいなので、これからも長い付き合いになりそうです。
一般的には長命でとても賢い鳥と考えられている種で、鳥類の中では最も人間の言葉を理解し、また喋ることができるはずなのですが、ぱぱさんのアフリは、飼い主の教育が悪いためか、一向に喋ろうとしてくれません。何とか喋れる言葉は、素っ頓狂なほど陽気な声での「あそぼ〜!」と、ままさんの口癖の、低くドスの効いた「わい!」、自分の名前の「アフリ」(でも「リ」は聴こえない)位です。一方、言葉以外の音の声帯模写は結構上手で、得意技は緊急避難放送のサイレンの音の再現です。そんなわけで家の中は年がら年中緊急事態で困ったものです。あとは一日中ただ、じい〜っと飛ぶこともなくカゴの中の枝に止まっているだけの日常です。そんなアフリを見ていると、プレミアムな風格などはどこにも見つけることができません。只の、のろまな駄鳥というのが実感です。
でも、この年末年始、よく観察していると、17年間今まで見たこともない、新しいことにチャレンジし満足している姿を見ることができたのです。ある時、カゴの周りを囲っているアクリル製の壁の淵に乗り、そこから約90cm下の地面に向かって逆さまに身投げをしている姿を見ました。パパさんは「落ちるぞ!怪我するぞ!」と思った瞬間、アフリは間一髪、片足の爪一本をアクリル製の壁の淵にひっかけ、落下を免れたのです。次の瞬間巧妙に体を180度ひねって頭が上になったかと思うと、今度は嘴の先一点のみで壁の淵に引っかかりました。他に体を支えるものは無くただ、ただぶら下がっているだけの姿です。次の瞬間、そのまま体を揺らして嘴だけでなく爪もひっかけ、最後に淵の上に全身が乗っかり、一連の行為が終了しました。それを何回もまるで職人のように繰り返し楽しんでいるのです。新技を決めてスリルを楽しんでいるアフリ、何と頭がいいのでしょう。
アフリの居場所はリビングの一角、鳥かごを設置している約90cm程の立方体の空間のみです。この空間以外に出ることは許されません。おまけに朝8時前から夜8時ころまでは、主人不在のためカゴの中に閉じ込められています。(主人が居るときはカゴからの出入りは自由です。)こんな限られた中での人生(鳥生?)を、アフリは実に創意工夫し、楽しくチャレンジし、遊んでいるではありませんか。与えられた空間が狭いとか、閉じ込められるのは嫌だとか、そういったネガティブな感情はなく、与えられた中で幸せを見つけることのみに集中するアフリに、何か「生き方の極意」のようなものを見たような気がしました。
また、ままさん曰く、ある時アフリとままさんだけで居合わせたときの、アフリの動きの中に、言葉はないけれど、「思いがけなく出会えて鳥(ちょー)嬉しい」という感情が、アフリから豊かにほとばしっているのを感じたということでした。
保育に戻って考えると、0.1.2歳は言葉がまだまだたどたどしいですが、喜怒哀楽の感情はとても豊かな子どもたちの姿と、アフリのこの感情を前面に出す姿に、重ね合う感覚がありました。言葉にならない子どもの声を聞き取れるようになれたらと思いました。
今年もよろしくお願い申しあげます。