[Under stand Over stand With stand]
Under stand 直訳すると「理解する」ですね。この「アンダースタンド」は2つの言葉で出来上がっていて、それは「アンダー」と「スタンド」です。「アンダーにスタンドする」、つまり「下に立つ」。これを人間関係で考えてみると「人の下に立つ」となるでしょう。その人の立場になってものを見る、その人の足元に立ってものを考える、ということですね。注目すべきは、「理解する」はアンダースタンドであって、決してオーバースタンドでは無いというところです。
新しい保育指針は、「その子らしさ」を大切にする保育観に基づいて書かれているように思います。子どもが伸びたいと感じている方向に、そのまま伸ばしてやることが、「その子らしさ」につながるんですね。運動が好きな子、ままごとが好きな子、自動車遊びが好きな子、楽器が好きな子等、自分の得意な遊びを見つけるお手伝いを、下から支えてあげたいと思います。あるいは、自分で遊びを創り出す子、お友だちの遊びに協調する子、ひとりが好きな子等、一人ひとりの性格を神さまからの「賜物」としてとらえて、活かしていきたいと思います。
そのためには、子どもの「アンダー」に「スタンド」できる、子どものことが理解できる保育者になることが求められますね。
Over stand こういう言葉は見当たりませんでした。しかし、興味の湧かない遊びを無理強いしたり、子どもが本当にやりたいことが実現できないような保育環境をOver standだと仮定すれば、このような保育は新しい保育指針の意図するものとは違うように思います。上に立って教えることは、たった二つです。それは、お友だちを傷つけないこと、そして自分を傷つけないことですね。
With stand 辞書を引くと、「耐える」、「もちこたえる」という意味で使われていることがわかります。つらいことに出会っても、くじけないでもちこたえて乗り切ることを指します。でも、人間は孤独、独りぼっちでは困難を耐えきることはできません。誰かに一緒にいてほしい。だから、「ウィズ」、「スタンド」です。一緒に立つ。
子どもが親元を離れて、人生の一番初めの時に、一緒に立ってくれる保育者、そのやりがいと責任を感じます。