作家の曽野綾子さんが2018年8月1日の産経新聞のなかで、ご自身が今現在苦しんでいる膠原病の原因について、産まれてから6歳までの間に、病原菌が体内にあまり入らないような清潔な暮らしをしていたためではないかと述べています。戦前の日本では消化器系の病気が幼児の命取りとなるケースが多かったため、曽野さんのお母さまと同年代の方は皆その反動として過剰なほど神経質になり、我が子を病原菌から守ることを考えて身の回りの除菌を徹底して行っていたそうです。結果、0歳から6歳までの間に除菌第一の生活を送ると、必要な免疫力を得ることができずに、その人が老年になった時に膠原病のリスクを負うという、なんとも皮肉な話でした。この話について曽野さんは「人間は善からも学び、大きな影響を受けるが、実は悪を知ることによっても強くなり、成長する」と結んでいます。
保育園では、感染症予防の観点から、国や市の指導に準じて、日々アルコールや次亜塩素酸による消毒を行っています。調理員や配膳係への手袋・マスク・帽子・エプロンの着用も抜かりありません。子どもが37.5度以上の発熱の際の休園の徹底や、法定伝染病や学校伝染病における欠席日数についても、主治医の指導の下、適正に行っています。
でも、朝は37.5度以下でも保育園に来てから高熱になるケースは多々あります。子どもが病気になれば休ませますが、潜伏期間を予測して病気になる前に休ませる保護者は、およそ見当たりません。(第一、そこまで気にしていたら、働ける日数が極端に短くなってしまいますよね。)当保育園だけでなく、兄弟姉妹が通う小学校をはじめとして、病院、役所、銀行、デパート、バス、電車etc.、それらの全てが病気のリスクを背負っています。
それでいいのかもしれません。保育園に通う年代に、小さな感染をたくさん繰り返すことで、小さな免疫をたくさん獲得し、丈夫に育っていくのです。保護者の皆さま、大事なことを書きますよ。我が子を将来、膠原病で悩ませないために、お子さまを保育園に入園させてくださいね。
蛇足ですが、
曽野さんは、水分は食間に取ることが重要で、食事前、食事中、食事後は水分を取らないほうがいいと書いています。そうすると食事中に胃液が薄まらないので、殺すべき菌を殺せるわけです。食事と一緒に水分を取った兵隊は病死したそうです。すごい話ですが説得力がありますね。