[お日さまの匂い]
柿の種をつまみにビールを飲んでおりますと、柿の種の袋に「お日さまの匂い その正体はコレ」と書いてあるではありませんか。興味を持ったので、そのまま載せますね。
― お天気のいい日に干した布団を取り込むと、「お日さまの匂い」を感じませんか。その正体は、日光に含まれる紫外線が、綿を作るセルロースなどの物質をわずかだけ分解し、アルデヒドや脂肪酸、アルコールなどの物質に変化したもの。どこか幸せな気持ちになるあの匂いの秘密は、科学的なものだったのですね。 ―
さて、アルデヒドと言えば、アセトアルデヒド、そうあの二日酔いを引き起こす原因物質や、ホルムアルデヒド、いわゆるホルマリンを想起させますね。一方、脂肪酸と言えば、一部にオメガ3.6.9といった体にいい不飽和脂肪酸もありますが、一般的にはコレステロールを上げてしまう悪者というイメージが膨らみますね。
なぜ、悪いものが良い匂いになるのでしょうか?ところで、薬は基本的には毒ですよね。適切な量を服用することによって病気を治すわけです。飲み過ぎれば毒ですし、適正量を飲んでも副作用という避けられない側面があるのです。ともあれ、毒も適量であれば薬になる、ということです。
毒も適量であれば薬になるのですから、アルデヒドや脂肪酸も、適量であれば良い匂いになるのでしょう。言い換えれば、適量な毒は良い、適量なアルデヒドや脂肪酸は良い、ともいえます。
ここで、子どもに置き換えてみますと、「子どもの中に内在している適度な毒は良い」となりますね。そう、適度な自分勝手、すなわち「泣きわめき、ひっかき、かみつき、取っ組み合い、ボイコットetc.」は良いのです。
保育園では、これらの自分勝手が適当なところで終わるよう、状況に応じて優しくしたり、あえて見ぬふりをしたり、それとなく提案したり、真剣に抱っこして目と目を合わせてお話ししたりしています。また、一日の流れの転換点では、前もってインフォメーションをしておいてから、言葉をかけるように心がけています。このように、余計な衝突を避けるようにスタッフが心がければ、子どもたちはみんな適度に自分勝手なおりこうさんになります。笑える毎日です。
絵本作家の加古里子(かこさとし)さんは、福音館の母の友2018年10月号の中で、「子どもは笑う。これから伸びていく者の力の表れとして、どんなにさびしい静かな子にも笑いが出る。身体的なハンディがあっても子どもは笑う。笑えるというのは生きる力があるということです。」と述べています。
さくらそうの27人のお子さんは、誰もが「笑える、生きる力がある」お子さんです。未来に乾杯!お酒はビール、つまみは柿の種、お後がよろしいようで m(__)m