[ゴリラのはなし]

アウトドアメーカーのモンベル社が発刊しているOUTWARD 84号という冊子に、京都大学総長の山極壽一先生とモンベル代表辰野勇氏の対談が載っていました。「ゴリラに学ぶ、人間のあり方」という題で、面白かったので一部を紹介したいと思います。

山極先生「じつはゴリラは、他の動物を飼うこともできるんです。飼えるというのはその動物の気持ちになれるということで、サルやチンパンジーはこの能力をもっていません。サルやチンパンジーは自分と他の動物をはっきり峻別して近づかない。一方でゴリラは手の上でダンゴムシを遊ばせたり、カメレオンにそっと触れてみたりと、他の動物と遊んでいるシーンをしばしば目にします。」

ゴリラが他の動物の気持ちになれるとは、すごいですね。さて、さくらそう保育園元郷の0〜3歳児さんはカブトムシの気持ちになって優しくお世話できるでしょうか? どちらかというとカブトムシの気持ちになるというよりは、自分が触りたい気持ちが優先してしまい、カブトムシは被害を受けているようです。ゴリラの方がおりこうさんなのかもしれません。でもきっと4.5歳児さんになればカブトムシの気持ちが分かるようになることでしょう。

山極先生「サルは、相手を見つめることは威嚇を意味し、弱い方が視線を逸らします。強弱や優劣をはっきりさせてトラブルを解決するのがサルのルールなんです。一方でゴリラは、人間と同じように対面し、優劣によらずに相手に共感して状況に応じた解決をすることができるのです。」

朝、私が出勤し、1階の部屋を窓越しに覗くと、0.1歳児さんたちがガラス越しにニコニコ笑顔で対面してくれます。私がちょっとふざけてサル顔なんかしたりすると、大勢の0.1歳児さんが親愛の表情で見つめ、真似したり、手を振ってくれたりと、実にフレンドリーです。相手に共鳴する能力はゴリラに負けていないと思います。

山極先生「現代、テクノロジーの発展で例えばデジタル機器に頼って、生身の「対面」が疎かになっていることは、人間のサル化の表れだと思っています。」

対面する力は家庭や保育園での、お家の方、兄弟姉妹、スタッフ、お友だちとの実際のふれあいの中から学んでいくものなのですね。みんな!保育園でいっぱい対面してニッコリ笑って、ヨダレ垂らしてね。

ゴリラ

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